手を開く。 もう茶色くなってしまったけど、その花びらがここにあった。 お母さんにちょうだい!と言ったら困惑しながらもくれた。 あの時のことが幻じゃない証拠。 ———それに、 そっと自分の唇に触れる。 最初で最後のキス。 感触は何もなかったけれど、確かに触れた瞬間唇がほんのりと暖かかった気がした————————