ゆっくりと桜から体を離して、翔の前に立つ。 私を受け止めてくれなかったことに文句を言おうとして。 だけどそれが原因だった。 そんなことをしてしまったせいで気が付いてしまった。 目を見開いてもう一度見る。 けれど、それが変わることは無かった。 翔は私を避けたわけじゃない。 その証拠に翔はさっきから1mmも動いていない。 なのに、私を受け止められなかった理由…それは、 「————体が、透けてる……」