……そうだ―。 この夜風の匂いは、佑真とのファーストキスの思い出だったんだ。 「…西田?」 「あっ、ごめん!」 「どうしたんだよ。急にボーッとして」 「うん。ちょっと…」 山川くんの隣で、何を思い出してるのよ。 「それにしても、驚いたな。まさか、矢吹がいるなんて」 「ホントだよね…」 「ちょっと、あの二人が羨ましかったな」