――― ―― 夜は肌寒いけど、どこか爽やかな匂いがして…。 なんだか懐かしいと思っていたら、結局、佑真の思い出だった事に気付いた。 高校生の頃、佑真と付き合い始めたばかりの16歳。 手を繋ぐ事も出来ないで、お互い緊張しながら帰ってたんだよね。 佑真の部活が終わるのを待ってたら、いつの間にか陽が落ちてて…。 「陽菜、夜道は危ないから送ってく」 って、遠回りになるのに、あたしを送ってくれたんだ。