――仕事が忙しい時は、大変だと思っていたのに、何もなくなると張り合いがない…。 あたしは、恋も仕事も、本当に自分勝手だ。 なんて、会社の屋上から、傾きかけた夕陽を眺めて思う。 こんなにも、雲ひとつないキレイなオレンジ色の空を見ていると、本当、自分の心とは正反対。 軽くため息が出たところへ、 「西田」 後ろから山川くんの声が聞こえてきた。