「2年前の襲撃の時―――――。」


エレンの家族は、2年前のヴァンパイアの襲撃の時、殺されてしまった。


その時、ラウルはエレンを助け、ジュノバスの小屋へ連れていった。

けれど、心を閉ざしたエレンはそこから姿を消した。


それからエレンは、たった一人で生きていたんだそう。


たった一人で…


「だから俺は、ずっとエレンが心配だったんだ。
そうだな…妹みたいな存在だろうな。
大事なのは、勿論ルウナだ。」


ふと頬に手を添えて、真剣に言われた。



エレンの話を聞き、
少し安心している。


そして、エレンを悲しみから救いたい。


そう思った。