馬車に乗り、最初に通った林を抜けて【ジュノバス村】に着いた。


「ルウナ様、絶対に離れないで下さいね。」


「私が捕まえていますから。」


ギュッとアタシの右手を握ったラウル。


ドキンと胸が高鳴る。


チラリとラウルを見上げれば口角を上げて満足気な顔をしていた。


「クククッッ…ではしっかり捕まえていてくれ。私は見回りをしてくる。ラウルルウナ様を頼んだよ。」


「え!?ネルフ行っちゃうの?」


「お二人の邪魔は出来ませんから。」


そう言うと、スッとネルフは消えた。



ラウルと二人きりになるとドキドキが増えるんだよね…。



アタシは何かの病気なのかな。



「ルウナ!ほら行くぞ。」


「わあっ!ちょっと手離してよ//」



「嫌だね…」


フッと鼻で笑うとスタスタ歩き出した。