そして、ネルフのスパルタレッスンを毎日受けること1週間…



遂に、舞踏会がやって来た。


城の中は慌ただしい雰囲気に包まれていた。



今夜、この城のホールに
魔界の住民が集まるのだから、使いの者たちは準備におおわれていた。



アタシはまだ眠さが残るなか、朝食を食べていた。



すると、誰かの気配がした。



この気配…


「セルね。」


最近気づいたのだけれど、気配で誰が来たかわかるようになった。



「ルウナ、まだ眠そうだね。」


「昨日、夜遅くまでネルフのレッスンだったから…
ふぁ~あ…」



「アハハ…ネルフさんは人に厳しいからね。
ところで今日の舞踏会は誰と踊るんだ?」



あ…忘れてた。


ラウルに誘われてたんだ。
「ルウナ姫。」


『ラウルに誘われてたんだ』って言おうとしたけど…

アタシの髪の毛をすくいあげ、熱っぽい目で見つめられ言えなかった。



「は、はい…」



「俺と踊ってくれませんか。姫。」


チュッと髪の毛にキスをし、優しい笑顔を浮かべるセル。



「あ…あの。」



「て言うわけだから、
姫、楽しみにしているね。」