ラウル


「ラウル、さっきルウナとやり合ってたけど…大丈夫か?」


「ベーモンド様。
すみません…つい…」


俺の恩人…ベーモンド様。

強く、威厳があって…
誰もが憧れる方。


「しかし、珍しいな。
感情をあまりださないお前が…

自ら婿候補に立候補するとは。そんなにルウナが気に入ったか?」



「ベーモンド様。
私は絶対。ルウナ姫を手に入れます。そしてこの魔界をまとめる王になります!」


「お前…ルウナに惚れたのか?」



「……//」



「ガハハハッッ!ラウルが恋をしよった!めでたい!
めでたいぞ!だがなお前にはライバルがふたりおる。」


「絶対負けません。」



負けるわけがない。


何故なら、俺は…ルウナ姫にとっくの昔から惚れているから。


この俺を本気にさせた
姫。



俺がこの城に来たのは、
18の頃…


元々…俺は1人で生きてきた。


この魔界で…


生きるために沢山の血を浴びた。



そんな噂を聞きつけた
ベーモンド様に拾われ…


城で第一隊に入った。



そしてあの姫…ルウナに出逢った。


勿論ルウナはまだ幼く、
覚えてないかもしれないが…


ルウナは、警戒もせず
俺に抱きついてきた。


クリッとした、ブルーの瞳…


無邪気に笑うルウナの笑顔に俺は心を奪われてしまった。



自分以外興味ないこの俺が…



だから、婿を募集という話を聞き俺は自ら立候補した。


だから必ず俺のものにしてみせる。



選抜隊のセル。


ジュノバスのモーガンには


渡さない。