「うあああ!…はあはあッッ」


体中に走る痛みと戦うこと2日…



「ルウナ!ルウナ…」


「フィア様、危ないですから!」


アタシは、地下のレッスン部屋に隔離。


ママが近づいたら、
ママを殺しちゃうかもしれない。



「構いません。
娘が苦しんでるの!放って置けない!ネルフどきなさい!」


フィアは、構わずアタシに近づいた。



「ルウナ、あと少し頑張って。私がついてるわ。」


「マ…マ…はあはあッッ…
来ちゃダメだよ…」



「ルウナ…」



アタシを優しく包む、ママ。





そのお陰で…





じわじわと落ち着いてくる。



と同時に…


頭によみがえる幼い記憶…



昔、泣き虫だったアタシは、よくこおやってママに抱き締められた。




この城で産まれ、
アタシは魔界の姫として生きてきた。



世話がかりのネルフも…


教育係のティムとオリーブも…


全員思い出した。




スーッッと痛みが引き、
体が軽くなった。



「ママ、もう大丈夫みたい。」


「ルウナ、魔力がもどったの!?ネルフ、ルウナを見てちょうだい。」



ネルフが私に触れた。




「ルウナ様、体は軽いですか?」


「うん。」


人間でいたからわかるんだけれど、
体が半端なく軽い。



「ルウナ様、魔力がお戻りになりました。それも、魔力がかなり強くなりました。さすが、ベーモンド様の血をひいてらっしゃいますね。」




アタシは、完全に悪魔になったみたい。