「く…あッッああ…」


「ルウナ様、目覚めるかもしれません。」


急速に魔力があがっている。


「ル…ナ…く…るしッッ
ハッ…アア…」


「息を吸って!」



「フッ…ハァハァッッ…」




ー―――――――――。

―――――――。

――――。



しばらくして、エルムは落ち着いた。


「エルム?」


「…思い出した…」


「記憶戻ったのね。」



魔力が上がると、記憶が戻るらしい。


「俺…イーザスにいたんだ。名前も瑛太じゃなくて、エルム。姫、今まで失礼だったよな…」


「姫じゃなくていいわよ。今までどうりで。」


「そうか?
俺にはどーもかたっくるしい態度は無理みたいだ。」


「エルム、魔力も戻ったことだし、今日から城に使えてくれ。」


「じゃあ、ルウナの世話係になる!」


「それはダメ!
ルウナの世話係は私なの~!」


エレンがいつの間にか部屋にいた。


「誰だコイツ…」


「私は、ルウナの親友エレンよ。アンタよりは先輩なんだからねーエレンさんと呼びなさい!」


エレンは得意気な顔をして胸をトンと叩いた。



「エレン。ルウナの世話係は俺だ!」


エルムったら随分俺様だ。

そーゆう所、ラウルに似ているかも。


「エルムには、第1隊で働いてもらう。」


「第1隊?」


「ラウルが隊長だから
今日からラウルの下につけ。」


「アイツは嫌だ。」


「エルム、命令だ。」


嫌だと言い張るエルムを
鋭い眼差しで言った。



次の日から、エルムは第1隊で働くことになった。