「連君?」


 連君が立っていた。


 「どうしたの?」


 プールであった出来事のことは
気にしないようにしていた。


 「連君?」


 連君はずっと下を向いたままだった。
 具合悪いのかなぁ?

 あたしはベッドから降り連君に駆け寄った。


 「連君?」


 あたしは顔を覗いた。その瞬間。


 「キャッ!!」


 連君はあたしを側にあったソファに押し倒し、
両手首を掴み自由を奪った。
 手を掴む力は強くて女のあたしでは
とても振りほどけなかった。


 「れ、連君?!」


 連君の顔を見ると苦しそうな顔をしていた。


 「なんで...なんで、あいつなんだよ!!!」


 あいつ?あいつって誰...?


 「あ、あいつって誰?」


 怖いけど聞かずにはいられなかった。


 「...麗香といつも一緒にいる男」


 「え...裕輔先輩のこと?」


 意味が分からない。
 連君が何を言っているのか。
 なぜ裕輔先輩の話なのか。


 「こんなことになるんだったら
力ずくで奪っとけばよかった」


 連君?さっきから何言ってるの?