「かーくん……」
ようやく落ち着いた結愛が眠りに付いた後、希が遠慮がちに口を開いた。
「ん?」
「仕事……大丈夫?今……大変な時期、だよね?」
希……
「…大丈夫だよ。今日は陽翔に任せてきたし、もうしばらくの辛抱だ。」
俺も大変だけど、希の方がもっと大変だろう。
これから退院して、茉央と結愛の2人の面倒見ながら家事やって……
俺には絶対真似出来ない。
「そう…?だったらいいんだけど……かーくん、疲れた顔してるから。無理……しないでよ?」
希は、前に俺が熱を出して倒れてから、よく無理だけはしないでくれと言うようになった。
「…あぁ、わかってる。」
俺は心配そうにする希にそう言って笑いかけ、寝ている結愛の頭をそっと撫でた。


