「パパー!」



俺は杉田 一真【スギタ カズマ】
高校で社会科の教員をしている。



そんな俺の元に輝くような笑顔を浮かべて走ってきたこの子は俺の息子で、名前は茉央【マオ】という。



つい最近3歳の誕生日を迎えたばかりの茉央は、無邪気で可愛い盛りだ。



「…っと!ただいま、茉央。いい子にしてたか?」



「お帰りなさい、一真くん。」



危なっかしく走ってきた茉央を受け止め抱き上げてやると、茉央は嬉しそうに笑っていた。



そんな時、リビングの方からお義母さんがやって来て俺を出迎えてくれた。



「疲れたでしょう?夕飯用意してあるから、あがってちょうだい。お父さんももうじき帰るはずだから。」



「…はい。」



お義母さんの優しい言葉に甘えて、俺は家に上がった。