翔? あたしを抱きしめているのは翔だ。 あたしは、車道に放り投げられるようにして翔の腕の中に収まっていた。 でも何故だろう。翔の手に力強さを感じない。 「翔…?」 呼びかけたその時、あたしはとんでもないことに気づいた。 「キャーーーーーーーーーーーッ」 翔の頭から、大量の血が流れていたんだー。