家に帰るも、少し前におこった事が信じられない。
唇の感触が・・・いまにも残っている。

4か月前、はじめてした、スキな人とのキス。
あの、涙の味がしたキスより、乱暴で雑なキス。

私は、唇をひたすらこすり、忘れようとした。
隼人君とのあれを。

あれは事故!単なる事故なの!

自分に言い聞かせた。
だけど、起こってしまった事は替える事はできない。

ピィィィィー

目覚まし時計がなる。今日も部活があり、朝早くに起きなきゃいけなかった。
目覚まし時計を止め、制服に着替え、いつもと同じ髪型で、いつもの私と変わらない様子でリビングにおり、家を出る。

昨日の、あの場所がありよみがえる記憶。

涙の味がかき消された。
あの場所。

勿論、私は春登には言わなかった。
と言うか言えなかった。
言えるわけがない

考えるだけでもくらくらする。

なんてったって、大人気の隼人君。ファンクラブがある隼人君・・・
ファンから、どんなことされるか・・・

怖くてたまんないよ・・・

「おはよーございます」

後ろから挨拶をされ振り向くと、隼人君が居た。

「はや・・・・とくん!・・・おはよ」

「どうかしました?」

昨日の出来事を忘れたのか、キョトンとした顔を浮かべ
?マークが頭の上に浮かんでいる。

「いや!だいじょう・・ぶ」

あれは、夢なの?