待ち受けカノジョ。

―――

「平石くーんっ!」

平石の背中にドーンと抱きつく。

ダルいハズの月曜日なのに、オレは朝からハイテンション!

「あ、滝山君。おはようございます」

どんな時も冷静な平石。

この温度差!


「滝山君。クラスの皆さんがドン引きしてますよ?」

えっ?

あら…

教室にいる全員がオレを見てピシッと固まっている。


「トイレでも行きます?」

平石の口がニィッとつりあがった。



「なんでオレがめくるちゃん好きだって分かった?」

誰もいない男子トイレ。

謎でしょーがなかった質問をする。


「僕、滝山君の後ろの席じゃないですか。見えてましたよ。ズボンのポケットから、“レアめくストラップ”が」

「マジで!?」


みんなにバレないように隠してたつもりだったのに…


「でもさ。実は、なくしちゃったんだよね」

「ええっ!?」

平石の銀ぶちメガネがズルッとさがった。

「あの幻のストラップをですか!?」

「うん…超へコむ」

テンション急降下。


しばらく間が開いた後、平石が唐突に口を開いた。


「滝山君。今日学校終わった後、時間ありますか?」

「え?あ~、あると思うけど…」

「じゃ、うちに来ませんか?」

「いいけど、なんで?」

ギランと光る平石メガネ。