待ち受けカノジョ。

まず、キレイに整った字。

決してしつこくないマーカーの色分け。

丁寧な線の四角で囲ってあるポイント。

『重要』『テスト出る』などの注意書き。

さらには、

各ページの右に“数学”“英語”など、順序良く並べて分けてあるインデックス。


「9教科全部ある…」


しかも、オレが休んだ日と次の日の2日分、まとめてあるからって言ってたよな?

あの短期間でこんなにできる平石って、ナニ?魔法使い?

オレの糸ミミズが這ってるような字のワケわからんノートとは大違いだし。


「滝山くん!勉強しよ!これで、勉強しよ!覚えれば確実にいい点取れるよ!」

自分がいい点取れたみたいに、キラキラと目を輝かせる奈緒。

「そうだね。今度はオレ、絶対13点以上取るよ!」

「ブッ!!」

奈緒がまた吹いた。

「目標が低すぎる!」

「よし。んじゃ、やりますか」

シャーペンを持つオレ。

「私も手伝うよ!TOP3内の平石君と私がアシストするんだからイケる!」

えっ?TOP3?

「奈緒、そんな頭良かったの?」

ドヤ顔で奈緒が言う。

「ちょっとー、みくびらないでよね。私趣味が“勉強”の女だよ?」

他に趣味ないんかい!

「やるぞぉ!目標90点代!!」


え?イヤ、待って、奈緒ちゃん。

それはどうかな…?