待ち受けカノジョ。

思い出した。

昨日、平石ってヘンなヤツからノート渡されてたんだ。


もぞもぞとバックに手を突っ込む。


…これだ。

表紙に『東大生も使用中!』とシールが貼ってある、“謎の平石ノート”。

名前書いたら誰か心臓マヒで…って何かの漫画か!


「ねぇ、なに?そのノート」

奈緒が興味シンシンで訊いてくる。

「なぜか知らんが昨日クラスのヤツが貸してくれた」

「クラスのヤツって、誰?」

「平石」

「ええっ!平石くん!?」

奈緒が突然奇声をあげた。

「えっ、奈緒知ってんの?」

「知ってるも何も…。私が成績でど~しても勝てない、憎ったらしい人だよ!」

ちょ!憎ったらしいって!!

「見たい!そのノート、見たい!!」

ピョンピョンと飛び跳ねる奈緒。

「あ~あ!仕方ない。あきらめて勉強すっか」

オレはしぶしぶイスに座り、勉強体制に入った。


「こ、これはっ…!」

広げた“平石ノート”を見た奈緒がうなるように言う。

「すごいよ、コレ!!すごい分かりやすい!!要点もキッチリおさえてある!」

「え?そうなの?」

オレもノートを覗き込んで見た。