今日は土曜日。
滝山くんは、朝早くから出かける準備をしている。
てっきり学校の女の子と遊びに行くのかと思ってたんだけど、滝山くんは真っ直ぐ病院に向かった。
「ごめんね、私のために…」
申し訳なくて謝っても、滝山くんは
「昨日、『時間のある時はなるべく病院に行こう』って言ったじゃん?」
と言ってニコッと笑う。
私はいつまで滝山くんのお荷物でいなきゃいけないんだろう。
どうやったら体に戻れるんだろう。
この先何年もずっとこのままだったら――
考えるとゾクッと寒気がする。
でも、
このままなんてありえない。
体に戻れないんだったら、
私がキッパリと決断しなきゃならない。
その時は、携帯を壊してもらおう。
そうすれば私は…
きっと、消える。



