おい!
おいおい!
朝帰りですか!?
「いいの。順クンのケガが治ったら、ゆっくり…ね?」
な、なにを『ゆっくり』するんですか!?
「オレは大丈夫ですよ」
大丈夫じゃないですよー!
友美さんの相談にのらなきゃ!
「ほんと優しいね…順クンは」
「ミナミさんの心を癒せるなら、オレは…」
ちょ、ちょっと!
いい雰囲気になってる!!
ダメだ!
申し訳ないけど、お邪魔します!!
「メッ、メールだよ!メールだよ!」
……?
携帯から変な音がする。
着ボイス風にしてるけど…これって完全に、奈緒の声じゃん!
ヘタクソか!
「スミマセン、ちょっと…」
笑いをこらえながら携帯を取り出して開くと、両手を合わせて『ゴメン!』みたいなカッコしてる奈緒。
奈緒っておもしろい子だな…
突然、車がスウッと停まった。
「あれ?どうしたんですか?」
横を向くと、窓の外は眩しいほどキレイな夜景。
「順クン…」
ミナミさんの細い腕が、オレの首にからみついた。



