待ち受けカノジョ。

「うん、大ゲンカしてさ。いいのよ!10才も年上のあんなオッサン」


そうすると、35才か…

どっちかっつーと、父ちゃんの年に近いな。


「今度は若い男にしようかな。順クンみたいな…ねっ?」

ミナミさんはイタズラっぽく笑いながら、チラッとオレを見た。


分かってる。

いつもの、冗談。


オレは…ただのオモチャ。


生ハムとグリーンアスパラとなんちゃらののパスタが運ばれてきて、会話はとぎれた。


「おいしい!」

無邪気にほうばるミナミさんを、オレは複雑な気持ちで見つめる。


気付いてるんだ、オレ。

ミナミさんが誰と付き合ってもダメな理由を。


ずっと長い間、

ミナミさんが片想いしてきたのは…


絶対に振り向いてはくれない人。