待ち受けカノジョ。

30分ほどドライブして着いたのは、知らない街のオシャレなパスタ屋。


ミナミさんが、何だか分かんない名前のメニューを2つと、ノンアルコールのビールを注文した。


細いタバコに火をつける、ミナミさんのキレイな指先。


「ミナミさん」

「ん?」

煙をフーッとはく。


「ノンアルコールって、おいしいんですか?」

「本物とは大違いね。おいしくはないけど…まぁ、気持ち的なもんかな?」


8歳も年上のミナミさんは、オレから見たらオトナの女。

オレがまだ知らない、大人の世界で生きる人。


「そうだ!順クンがハタチになったら、一緒に飲もうねっ!フフフ」


でも…

こんな風に笑うミナミさんを見てると、つい大人なんだって事を忘れてしまうんだ。


「何言ってるんですか!あと3年もありますよ!そしたらミナミさん、結婚してるかもしれないでしょう?」

「ハハハ!ないない!」


テーブルに運ばれてきた例のビールをクイッと飲むミナミさん。


「彼氏とは昨日別れちゃったし」

「えっ?昨日ですか!?」


ガラスの灰皿にタバコの火をもみ消す。