待ち受けカノジョ。

街灯のあかりと景色が、次々と横に流れる。


ミナミさんの車は小さくて、その分距離が近いから、若干テンション上がり気味のオレ。


ハンドルを右に傾けながら、ミナミさんが言う。

「ごめんね、さっき携帯で話してたでしょ?」

「あ、いいんです。別にたいした用じゃなかったし」


ゴメン、奈緒。


「ケガは?大丈夫?」

「あ、ハイ」

巻いてあった頭の包帯をぐるぐる取った。

「ちょっと大ゲサにアピールしてました!」

ふふっとミナミさんが笑う。


「でも一応大事をとって、今日はごはん食べたら帰ろうね」

「ハイ…そうですね。ミナミさんも仕事でお疲れですしね」

「それ以上一緒にいたら…イヤだ!もっと疲れちゃうわ!」

2人でクスクスと笑う。


『それ以上』の意味は

ミナミさんとオレだけが分かる、秘密!