待ち受けカノジョ。

「なぁ」

突然、知らない男が話しかけてきた。


「奈緒とぶつかった子って、君?」

オレより背が高く、ひょろっとした体格で、するどい眼光を放つ細いつり目。


「はい、滝山です。同じ学校の」

「ふーん」

特に興味もないような返事をしながら、ソイツは壁にもたれかかって腕を組んだ。


誰?この感じ悪いヤツ。


おばさんが空気を読んだかのように、オレに言う。

「あ、この方は森田さんよ。奈緒とお付き合いして下さってるの」


えっ!?

奈緒、彼氏いたんだ。

しかも、親公認。


なんかムカつくヤツだけど、奈緒の大事な人なんだったら仕方ない。


「オレのせいです、スミマセン」

「……」

まさかの無視!


「じゃ、僕はこれで」

帰ろうとする森田サンに、おばさんが慌てて声をかけた。

「また来てあげて下さいね!奈緒も喜ぶと思いますから」

「…はい」

おばさんの方も見ずに、ガラガラ、バタン!と乱暴にドアを閉めて出て行った森田サン。


なんだ?アイツ。

思わずコブシに力が入る。


奈緒は一体アイツのどこが良くて付き合ってるんだろ?

マジで分かんないんだけど。