――あっ!!


ふと思い出したのは

そう、2年前。

高校に入ってすぐのこと。



夕日が差し込んでオレンジ色に染まった学校の廊下。

向こうからユラユラと、本の山が歩いてくる。


「えっ…妖怪?」


よく見ると、何冊も積み重ねた本を重たそうに持って歩いている女の子だった。

プッと吹き出したオレは、思わず彼女に「持とうか?」と声をかけてしまったんだっけ。


目をまんまるくして、オレを見上げたその子の顔――


そうだ!あの子だ!

思い出した!!


えっと…

名前は確か、

あ…青井…な、な…