……ポタッ

……ポタッ


静かになった部屋に、ひとりきり。


なんだよぉ~

ご飯って、点滴じゃん!


気絶するほど頭を打ったから、様子を見るために何も食べちゃいけないらしい。


こんなんじゃ、オシッコになって終わりだよ~

牛丼食べたいよ~

ラーメンでもいいよ~


……ポタッ

……ポタッ


点滴の雫を見つめながら、オレはあの子のことを思い出していた。


今でも鮮明に脳裏に焼きついている。

流れ落ちるドス黒い血。


大丈夫なんだろうか。

意識は戻るんだろうか。

もし、最悪のことになったら


オレは…どうすれば?


全身に寒気が走った。

体を流れる冷たい点滴のせいじゃない。

最悪の事態が頭をよぎったせいだ。



それにしても

あの子は誰なんだろう?


見覚えがあるのには間違いない。

頭の中の『学校の女子ファイル』を開く。


1組の美由紀?

イヤ、違う。

4組の真理子?

違うな…