でも、ぐるっとオレの方に振り返った顔は、完全に鬼と化す。

「先生の言うことだと、明日頭の検査らしいぞ。よーく調べてもらって、この際ちゃんと治してもらえよ!元々悪い頭をなっ!!」

小声でマシンガンのように言い放った後、プンプン怒りながら、さっさと病室を出て行った父ちゃん。


なんだよ、あれ…

ちょっとひどくない?


ミナミさんはベットの下に紙袋を置くと、オレに手を振りながら、父ちゃんの後を追いかけて行った。


「あ~、爆笑するとこだった!アナタのお父さん、超ウケるわ!」

成田さんが笑い泣きした涙を人差し指でぬぐっている。


「息子のことクソとか言うな!アイツはクソおやじですよ、クソおやじ!!」

「じゃ、クソ息子はそろそろご飯にしましょうね!」

えええ!?

「ちょっと!成田さんまで…!」

みんなしてクソって言うなっ!!