待ち受けカノジョ。

オレは何度も電気屋のおじさんに頭を下げた。

「あ、ありがとうございます!本当に、ありがとうございますっ!!」

おじさんは優しそうな目で笑って、オレの肩をポンポンとたたいた。

「いいんだよ、どうせ捨てる物だし。また電池がダメになったら来なさい。発注してやるから」

「はい!また来ます!」

ダッシュで走り出すオレ。


良かった!

ホントに良かった!!


小さいビニールに入れてもらった電池を、ギュッと握り締める。

おじさんの息子さんが使ってた携帯がオレと同じでラッキーだった。


ありがとう、おじさん。

電池は、これから何個でも買うよ。

10個でも、100個でも。

奈緒が携帯にいる間、オレは何個でも買い続けるんだ…


水たまりに映った星を蹴散らしながら、全速力で走る。


直る!

これで助かるぞ、奈緒!