待ち受けカノジョ。

夜11時半。

いつもならとっくにビロビロの部屋着に着替え、コンタクトもはずして、ボサボサの髪でニヤニヤしてる時間。

葵がいるからできない。

それより、楽しみにしてためくるちゃんがリアルタイムで見れない。

ちくそーっ!!


葵に頼まれ、ってゆーか命令されて、髪にカーラーを巻きつける。

「順平さぁ、明日買い物付き合ってよ」

「買い物?」

「うん。お泊りセット買いに。あと、服もほしいなー。あ!お台場行きたい、お台場!」

「はいはい…」

オレは執事か!イヤ、下僕か?


「ウフフ、楽しみ!デートの様子もブログにアップしなくちゃ」

「え、デート?ブログ?」

「うん!だって、順平と付き合ってることにしたから」

ええ――っ!?

オレの手からカーラーがポロッと落ちた。

「そんな勝手に…!!」

葵が横目でオレをチラ見する。

「ブログのアクセス数あげるには、恋愛話がイチバンなんだよね!」

「そんな話していいの?だって葵、タレントじゃん」

「昭和じゃないんだから!今は逆に自由がいいんだよ。それにさ、Blogger5の人気投票で5位以内に入り続けるには、それくらいの盛りがないとね!」

「ふーん、そんなもんなの?」

「だから、しばらく擬似恋愛してね!エセ彼氏の順平くんっ」

エセ彼氏ねぇ…

「せめてオレの顔は出さないでね」

「うん、そこらへんは大丈夫だから!ってーか、もう眠い。順平、ベット貸して!」

ええっ!!

オレのベット…

イヤ、それよりオレの部屋…