待ち受けカノジョ。

さっそく、リビングのソファーにどっかりと座る葵。

「ふぅ~ん。部屋ん中、オシャレじゃん!インテリアもアンティーク物ばっかり!ずいぶん凝ってるんだね~」

「うん。友美さんの趣味だからね」


オレは葵にせかされてキッチンに立ち、お茶と氷をグラスに入れてる。

「ねぇ、友美さんて?」

「ああ、オレの育ての母親」

友美さんを『母親』と言ったのは、これが始めてかもしれない。


「あっそ。…ねぇ!うちの人、いつ帰ってくんの?」

「たぶんだけど、3日後くらいじゃないかな。旅行行ってるから」

「マジで?んじゃ、明日も泊まろーっと!」

体を伸ばしてゴロンとソファーに寝転がる葵。

「え!?それはカンベンして!」

焦るオレに、葵が口をとんがらせて言う。

「なによ、なんか文句でもあんの!?あ~あ!せっかく再会の記念にみんなで花火見ようとしてたのに…」

「あーもう!分かったよ!」

テーブルにお茶をドン!と置いた。

「ありがとぉ~!ついでに、ご飯も作ってくれない?」

「ええっ!?」

なんだ、このワガママ娘は!