待ち受けカノジョ。

胸の前で腕を組んだ葵が、オレを睨みつける。

「文句言いに来たんだよ!ずっと悠人と2人で待ってたんだからね!バカ順!」

うわぁ、超キレてるよ…

ってかさ、

勝手に一緒に見るって決めたの、葵じゃね?

しかも、ブログ経由で。

…まぁいいや。


「悪かった!ごめん!」

とりあえず頭を90度に下げる。

「許さんっ!」

オレの後頭部をグーでグリグリする葵。

「だから…今日泊めて?」

はあっ!?

「ちょっと、何言ってんの!?」

「だってぇ~、こっちのホテルとか予約してないんだモン」

葵が体を左右に振って、妙にカワイコぶる。

「悠人にここの住所教えてもらってワザワザ来たんだからさ!泊めるくらい、いいじゃん!ね?」

え、そんなこと急に言われても…

「今、家に誰もいないんだけど」

「えっ!?やった!ラッキー」

しまった!墓穴ほったぁぁ!!

ニヤッと笑って、オレの腕に自分の手をガッチリまわす葵。

捕獲された…

「入ろっ、入ろっ、おうちに入ろ!」

グイグイと引っ張られる。


あぁー!

なんでオレこんな目ばっか会うんだろ。

絶対、女運悪いよ~!!