待ち受けカノジョ。

「もう、そんなことやめなよ」

「でも、パパとママにも嫌われちゃったし、これ以上誰かに嫌われたくないんだ。

ヤッてくれてる間は、ほんのちょっとでも桃香の事が好きでしょ?」

「違う!違うよ!」

オレは思わず立ち上がってしまった。


「そんなの、恋愛感情でもなんでもない!今の桃香ちゃんじゃ、誰も本気で好きになんてならない!」

荒げたオレの声に驚いて顔をあげた桃香ちゃん。

その頬には涙が流れている。


「もうこれ以上、心も体も傷つけんなよ。体を使わなくたって、いつか誰かが桃香ちゃんの心を好きになってくれるから」

「…嘘だ」

桃香ちゃんの唇が震えている。


「嘘じゃない!だから、その出会いが訪れるまで、今までの記憶も思い込みも全部流して、汚れた所も自分も、キレイに磨いておくんだ。その人のためにも」

桃香ちゃんが涙を拭きながら、コクッとうなずいた。


「桃香ね、さっきはサイテーな事しちゃったけど、滝山君だけは…ピュアな気持ちで好きだったよ」