待ち受けカノジョ。

女の子と並んで歩く時は、いつも一歩くらいの間を開けてる。

意識してやってるワケじゃないけど、自然とそうなるんだ。

今まで一緒に出掛けた子達はみんな、何気に察してくれていた。

「ねぇねぇ!どこ行く!?」

でも桃香ちゃんは、そんな間隔も取らずオレの横にペッタリとひっついてくる。

なんか調子狂うんだよな…この子。


「桃香はどこでもいいよ!滝山君と一緒なら」

ピョンピョン跳ねるように歩く桃香ちゃん。

「じゃあ、テキトーに店回るから」

「うん!桃香、ついてくねっ」


それからオレは、ナチュラルグッズやカントリー雑貨の店を見つけては、ガンガン入ってガシガシ買った。

あっという間に、両手は荷物でふさがった。


「滝山君さぁ、さっきから何買ってんの?部屋の模様替えでもするの?」

1杯390円のラーメンをズルズル吸い込むオレに、野菜炒めを食べながら訊いてくる桃香ちゃん。

「うん…まあね」

「え~、男の子の部屋にしては変じゃない?レースのテーブルマットとかさぁ、小物だってカワイイのばっか買ってたじゃん」

「まぁ、いろいろあるさ」

薄味のスープをズズッと吸う。

「まさか、彼女できた?」

ブホッ!

麺が鼻から出そうになったじゃん。

なんでそんな考えになるんだ?

「イヤ、ぜんぜん違うし!」

「そう。だったらいいんだけどぉ」

何がいいのかもまったく分からん。

ひたすらチャーハンを口にかき込む。