恭平はますます仕事を頑張り始め、順平と一緒にいるどころか、家で休む時間も少なくなっていたよね。

順子も育児書を見ながら、慣れない子育てを一生懸命やっていた。


一日中、部屋の中に2人だけ。

ほとんど母子家庭みたいなもんだったね。

泣いては、授乳。

あやして寝かしつけたと思ったら、また泣いてまたまた授乳。

激しい夜泣きで、順子も毎日寝不足気味。

さらに、自分のご飯さえ食べたり食べれなかったり。


順子は日に日に痩せていった。

私だったらもうとっくにギブアップしてるだろう状況でも、順子は必死で頑張っていた。


『だって、見て?こんなに可愛いんだもん。自分のことなんて、どうでもいいんだ』

順平を抱っこしながら、やつれた顔で幸せそうにニッコリ笑った順子の顔。


私、今でもはっきり覚えてるよ。