順子、順平へ


久しぶり、順子。


突然順平が訪れたから、びっくりしたでしょうね。


あなたの息子は、もう17歳です。


そうね。

早いものであれから10年も経ってしまったのね。


順子、気が付いた?

順平の顔。

特に目元なんか、あなたにそっくりよ。




順平。


暑い中、お使いご苦労様。

大きい荷物で大変だったでしょう?


ありがとうね。



順子、順平。


驚かせてごめんなさい。


どうしても、2人を会わせたかったの。

順子と順平、それぞれが胸の奥に抱える苦しみを、消してあげればと思ったから。


この再会をきっかけに、お互いが心から笑い合える日が来ることを願っています。


これから、古い思い出話をします。

長くなるけど許してね。