待ち受けカノジョ。

「でもさ、今まで悠人と友達で、ホント良かったよ」

照れ隠しで、お湯をジャブジャブかき混ぜるオレ。


「俺も!こうやってお前とバカやれるしな」

悠人もジャブジャブする。


「幼馴染みって、いいもんだなー」

「そうだなー」

湯船の中で友情を語る、全裸の男2人。


「子供の頃さ、毎日遊んでたよな。悠人とオレと、近所の女の子達と」

頭の中で記憶がよみがえったオレは、悠人に話しかける。


「ああ、あの頃は男も女も関係なくて、よかったな~。今はどーしても意識しちゃうよ」

そう言う悠人の、浜辺で見たガチガチぶりを思い出した。


「悠人さぁ、その頃から前島葵のこと好きだっただろ?」

ゴボッ!!

湯船の中でズルッとコケておぼれそうになってる悠人。

「なっ、なんだよ順平!突然!!」

「その動揺の仕方!」

コイツ、分かりやすっ!


「な、なんだよ!順平だって、いつもくっついて遊んでた女の子いたじゃん!」

「え…?」


記憶にない。

実は、オレも葵の事好きだったし。


「いねーよ、そんな子」

「また!そーやってすっとぼける!お前、ガキの時からチャラ男だったんじゃねーの!?」

「チャラ男言うな!」

悠人の頭をグイッと押す。

ゴボッ!

「なにすんだよ!」

悠人にやり返される。

グボッ!

「ぶははっ!」


風呂中に、また笑い声が響いた。