待ち受けカノジョ。

「あー、天国~!!」

最高にうまかったゴハンの後、温泉まで入らせてもらえるなんて…

「幸せすぎるーっ!」


デカい湯船に浸かって、疲れた体を思いっきりのばした。

日焼けした肌がピリピリする。


アワだらけの悠人が、体をこすりながらオレに話しかけてきた。

「順平、彼女は?」

「いねーけど」

「作んねーの?」

作んねーの?って言われてもなー


「1人にしぼれないよ。女の子って、みんなカワイイじゃん!」

「うっわ~、出た!チャラ男発言!」

悠人がうんざりした顔をする。


「チャラ男じゃねーし!悠人にまでチャラ男扱いされると思わなかったよ」

オレのどこがチャラいんだ、まったく。


「マジな話さ」

誰にも話したことない本音。

悠人になら言える。


「オレ、誰とも付き合う気ないよ。付き合ったら、いつか別れるじゃん。そしたら泣いちゃうもん。オレ、寂しがり屋だから」

「なにそれ…その母性本能くすぐり系の言い方もムカつくんだよな~。この天然チャラ男!」


はっ?真面目に言ったのに!

「チャラ男じゃねーって言ってんだろ!」

湯船のお湯を悠人にザバッとかけてやった。


「うわっ!やめろよ、無自覚チャラ男!」

「うっせ!サル!!」


ガキみたいにバシャバシャとお湯をかけ合う悠人とオレの、ゲラゲラ笑う大声が響く。