待ち受けカノジョ。

「おっはよぉ~、奈緒!」

やたら元気な滝山くんの声で目が覚めた。


「あ…おはよう」

テンション、高っ!


「奈緒、これから病院行くよ!」

滝山くんは、いつもの明るい笑顔だった。

ちょっとまぶたが腫れている以外は。



「天気予報だと夕方からゲリラ豪雨らしいから、早く行こうか?」

「うん、お願い!」


携帯の中にも、太陽のまぶしい光が差し込んでくる。

こんなにいい天気なのに、後で豪雨かぁ。

夏も真っ盛りなんだなぁ。


「オレさ、今日一日予定ないから、雨が降る前までずっと病院にいるよ」

首からぶら下がった私を持って、話しかけてくれる滝山くん。


こうやって、外で滝山くんの顔を見ながら話せるのがすごく嬉しい。


「来るといいね、森田サン」

「…うん」


私に気を使ってくれているんだ。


元気そうにしてくれてるけど、

実は昨日の心の傷が癒えてないのかもしれないのに。


滝山くんの顔を、じっと見つめる。


「ん?どした?」

くりっとした目で、私にニッコリと微笑みかけてくれる。

「ううん、なんでもない」

「なんだよ?言いたいことは、ガマンしないで言いな?全部聞くからさ、オレ」


どこまで優しくしてくれるんだろう。

私なんかのために…