待ち受けカノジョ。

「偶然ですね!僕達もめく友なんですよ!」

ちょっ、平石!言うなって!

「僕『たち』?」

千夏が首をかしげる。

「イヤ、あの…さ、さっそく見せてもらいなよ、もうできてるって!」

焦りながらなんとかごまかす。


友美さんが奥から大事そうに運んできたのは、めくるが着てる制服。

「うわぁ!すごい!本物みたい!」

千夏が目を輝かせた。

「平石君がいい資料を提供してくれたから、完璧に作れたのよ!」

友美さんが平石に微笑みかける。

「えっ?マジで?平石ありがとう!」

そう言いながら、千夏は試着室に飛び込んで行った。


「平石!オレのことは、シーッ!」

人差し指を口にもっていって、小声でコソコソ言うオレ。

「あっ、つい…すみません」

「イヤ、オレが悪いんだけどさ」


しばらく待っていると、試着室のカーテンがシャッと開いて中から千夏が出てきた。

「ねぇ!どう!?」


うわぁ…!

声にならない声を漏らすオレと平石。

「めくるちゃんだ!」

スタイルがいい千夏は、フィギュアのめくるが三次元になったかと思う程のパーフェクトさだった。

「サイズもピッタリ!あとはピンクのズラかぶればOKだね!」


千夏も鏡の前で満足気にめくるになった自分を眺めている。