待ち受けカノジョ。

そんな感じで毎日セッセとバイトに励む、マジメな勤労少年のオレ。

実は、用事ができたってゆーか自分から作っちゃったので、お金を貯めなきゃならないのだ。

だからヘビ☆ロテT・Jも、都合が良かった。


8月に突入してから1日ごとにジリジリ、ジワジワと暑くなり、今日で5日連続40度越えの猛暑日。


「しっ…死ぬ!!」

クーラーがないオレの部屋。

まだ午前中なのに、部屋の中がかげろうみたいに揺れている。

ここは砂漠か!

「死んでまう!!」

気のせいか、なんだか異臭もする。

オマケに、網戸にへばりついたセミの爆音!

「ミンミン、ミ~じゃねえよ!!」

内側からセミを爪でビシッ!とはじき飛ばす。

「もう、ムリ…」

水色のおっさんみたいなパジャマで、ズルズルと友美さんの店に避難するオレ。

ポケットに奈緒を入れて。


「うわ!なんだそのカッコ!」

ドン引きする友美さん。

「いいじゃん、暑いんだからさ」

真っ先にクーラーの真下を陣取った。

「くぁーっ!すっしー!クーラーサイコー!!」


ガランガラン

入り口のドアベルが鳴った。


「あれ?滝山君」

「あっ!平石!!」

外から入ってきたっていうのに、汗ひとつかいてない。

爽やかクールドライなヤツ!


「どしたの?平石」

「それはこっちのセリフですよ。なんですか?その中年の日曜日みたいな格好は?」

「え~暑いんだからさ~、ゆるしてよ~」


友美さんが奥から出てくる。

「あら、平石君!久しぶり」

「お久しぶりです。めくるコスプレ、できました?」

「うん、おかげ様でね!もうすぐオーダーしたお客さんが取りに来る予定なのよ」


ワクワクのオレと平石。

「一体、どんな方なんでしょうね?」