待ち受けカノジョ。

滝山くんを待ち続けて、何時間たっただろうか。

ついに、節電モードになってしまった。


「はぁ…」


もう全身から力が抜けて、寝ているだけでも精一杯。


滝山くんが帰ってくる気配もない。

ミナミさんとデートだもん。

朝帰りかもしれないな…


「うっ…はぁっ!」


こんなに苦しいなんて…


電池が切れたら、私本当に死んでしまうのかもしれない。


いやだ。

こんなところで死にたくない!

なんとかしなくちゃ。


でも、ここを抜け出す方法なんてあるんだろうか。

考えるんだ…私。

こういう不思議現象の話、世の中にいっぱいあったハズ…

ニュースでもドラマでも漫画でもいいから…


視界がボンヤリ暗くなってきた。


思い出して。

どんな終わり方だったっけ?


さらに、目の前がスウッと暗くなっていく。


ああ…もう遅いかも――


滝山くんと一緒に、もっと早く考えておけばよかった…


もうダメ。

ごめん、お母さん――


視界が闇になる直前、私は思い出した。


あっ

さっき見た、めくるちゃん…