誠の桜に止まる蝶

「始め!」

主審の隊士の声が響き渡る。

斉藤さんは一気に攻めてくる。

私はそれを受け止める。

「受けているだけじゃ俺に勝てないぞ。」

「いいえ。受けも必要なんですよ?」

お互い一歩も引かない。

斉藤さんが攻めてきた一瞬のすきを突き


スパンッ

「一本。勝者蝶!」

私は斉藤さんから1本決める。

「っやっぱりお前は強いな。」

「いいえ、斉藤さんこそ。」

「いいや、俺はもうお前に2敗している。」

「斉藤さんは攻めが得意ですよね?」

「ああ。」

「攻めるのも勿論大切ですが、攻めてばかりだと相手の弱点を見極めることはできません。時に守備に回り相手の出方をうかがうのも大切ですよ。」

「そうか。」

「斉藤さんはそれさえできればきっと最強ですね!」

「・・でいい。」

「え?」

「一でいい。」

「っはい!じゃあ一さんって呼ばせてもらいますね!」

周りが一気にざわつく。