「てめえ・・・蝶。いい度胸じゃねえか。」

土方さんはどす黒いオーラを出しながら近づいてくる。

「ちょっ!土方さん待って!私ただいたずらしに来たんじゃないもん!」

「あ?」

ひっ!怖い。鬼より怖いよ土方さん。

「土方さんがお仕事頑張っているからお茶と草餅持ってきたんです!!」

「じゃあなんで普通に渡さないんだよ・・・」

少しぐったりとつぶやく土方さん。

「普通じゃ面白くありません!!」

私はきっぱりと宣言する。

するとでこピンをされて私は悶える。

「なっ・・・痛い!普通に痛いですよ土方さん!!」

涙目で抗議する私を笑い飛ばす。

「お前、そういえば稽古そろそろ参加するんじゃないのか?」

「あっ忘れてた!行ってきます!!」

私は慌てて走り出す。

だけど一言言い忘れたことを思い出し立ち止まり振り向く。

「土方さん!!」

「なんだ?」

「土方さん、甘いの苦手って聞いたので、土方さんのだけ甘さ控えめにしておきました!だから安心して食べてくださいね!」

蝶はそれだけ告げると急いで走り出した。

「ふっ、あいつは馬鹿か。」

自然と微笑みが零れる土方だった。