誠の桜に止まる蝶

「はあはあ・・・沖田、蝶見なかったか?」

「いいえ、おかしな顔した土方さんしか見てませんよ?」

「貴様・・・」

「あ、土方さん、あの桜の木に居るのって蝶ちゃんじゃないですか?」

「はあ?お前、あいつ女だぞ?普通あんな高い木に登れるわけ・・・」

土方の言葉を遮り言葉を発する。

「土方さん。覚えてませんか?」

「あ?何をだ?」

「初めてあったとき、蝶ちゃん軽々と木に飛び移ったじゃないですか。」

「ああ・・・そうだったな・・・」

「とりあえず近づいてみましょうか。」

「仕方がねえな・・・」

そっと二人は近づいてみる。
顔を膝に埋めたまま蝶は動かない。

「蝶ちゃん・・・?」

沖田がそっと話しかけると蝶の肩がピクリと動く。

「土方さん、蝶ちゃん俺が連れて行きますから先に近藤さんのところに行っててください。」

「だけど総司・・・」

「土方さんの恐ろしい顔見たら蝶ちゃん怖いがっちゃいますよ?」

「くっそ、てめえ覚えてろ・・・」

しぶしぶと土方はいなくなる。