誠の桜に止まる蝶

「私、沖田さんやほかの隊長さんに勝ちましたよね？それは本気で戦った結果です。でも隊士のみなさんは沖田さんたちのぶんも土方さんに賭けていたんですよ？土方さんだってあの時の歓声聞こえていたでしょ？」

「だからってわざと引分けにしなくても・・・」

「いいえっ！」

今度は私が土方さんの言葉を遮る。

「私はこの時代の人間じゃありません。いきなり現れた私が、あなたたたちの思いを崩してもいいっていうんですか？ましてや私は女です。その女なんかに一心に期待を背負った土方さんが負けたら土方さんや今までまけた隊長のみなさん、土方さんに期待していたみなさんの気持ちはどうなるんですか？」

「お前・・・そこまで考えてたのか？」

「・・・はい・・・。自分の都合で土方さんたちの居場所、奪いたくなんかないから・・・」

泣くまいと私は唇を強くかむ。