誠の桜に止まる蝶

「ふう・・・」

私はため息をつき、夜風にあたる。

「おいっお前!」

土方さんが少し怒ったような顔で近づいてくる。

「土方さん、私お前じゃないです。蝶です!」

「っ蝶!」

「なんですか?ってか無駄に声でかいですね。」

わざとふざけても真剣な空気を土方は崩さない。

「なんでお前わざと引分けにした?」

「え?なんのことですか?」

「嘘をつくな。お前、あの時わざと竹刀折っただろ?」

「いや、たまたまですけ・・・」

「おいっ!」

私が話終わる前に土方が怒鳴る。

私は思わずびくりと肩を震わせる。

「正直に答えろ。お前、手を抜いたのか?」

「っ別に手を抜いたわけじゃありません!!確かにあの時1本きめられそうだったけど・・・」

「だったけどなんだ?」

「っ決めたら土方さんの威厳はどうなるんですか??」

「なっ・・・」

土方は驚いた顔をする。