誠の桜に止まる蝶

「ん?沖田さん?」

「あっ、いいや。なんでもないよ。」

慌てて微笑む沖田。

「じゃあ私行ってきますね!!」

「頑張ってね。」

「はいっ!」

「蝶のように美しく華のように凛としている女の子か・・・」

沖田はぽつんとつぶやく。

「てめえの根性は認めてやる。だけど俺を倒さなければ認めねえぞ?」

「もちろんですよ?」

「では、はじめ!」

近藤さんの声が響き渡る。

っ・・・沖田さんより隙がなく早い・・・

激しく打ち合いすぎて互いの竹刀にひびが入る。

いけるかもしれないっ!

そう思った刹那

「副長がんばってください!!!」

「副長なら負けませんよ!!!」

「沖田さんやほかの隊長の分も頑張ってください。」

周りの声が今だけは鮮明に聞こえた。