誠の桜に止まる蝶

「蝶ちゃん、疲れてない?」

心配そうにこちらを見つめる沖田さん。

「ええ。だから手加減はなしですよ?」

「わかった。」

「両者試合はじめっ!」

その声を合図に互いに攻めあう。

沖田さんはやっぱり強くて一瞬の隙もない。

だけど。少しでも可能性があるなら私は負けないっ!

そしてほんの一瞬の隙を突き私は沖田さんから一本取った。

「っはあはあ・・・」

「勝者蝶!!」

「すげえ・・あの沖田さんに勝つなんて・・・」

「あいつただもんじゃねえな。」

周りのざわめきさえよく聞こえない。

だけど、まだ終わってはいない。

「お疲れ様。蝶ちゃん。」

「沖田さん・・・やっぱり沖田さんは強いですね!」

「いいや、蝶ちゃんのほうが強いよ?」

「あれは本当にたまたまです。」

「次は土方さんか・・・」

「沖田さん。」

「ん?何?」

「私絶対負けませんよ?」

そういって微笑む蝶の笑顔は綺麗だった。

沖田は思わず言葉を失う。