誠の桜に止まる蝶

“本当に蝶は剣道がつよいのう”

そう言ってお父様は私の頭を優しく撫でてくれる。

“えへへ。私誰にも負けたことないのよ?”

“そうか。でも蝶、おぬしはなぜ剣道をしておるのじゃ?”

“んーなんでかなあ?”

わからずきょとんと頭をかしげる。

“おぬしのその実力はいずれ役立つときがくる。おぬしが剣を振るうのは大切な人を守るためめ、おぬしが癒しの力を使うのは大切な人を支えるためなんじゃよ。間違っても無駄に力を使ってはいけぬ”

“なんだか難しいけど・・・わかったわ!お父様!”

“いい子じゃ。”


お父様・・・今の私はなんのために力を使うのですか?

居場所を見つけるため・・・?

いいや、なにかが違う気がする。

私はすっと道場の中へと入った。